自転車でも煽り運転はやったらダメ

考察

暑くもなく寒くもなく金木犀の香りが漂う今の季節、外に出るのは気持ちが良い。
愛犬たちの餌のストックが少なくなってきたので近所のホームセンターに自転車で出かけた昨日も、お日様がポカポカ照らして鼻歌でも歌いたくなるような陽気だった。

が、この良い気分も私が大通りに出た瞬間打ち砕かれた。

ごく一般的なスピードで道を走行していたのだが

「ジャマー!邪魔邪魔邪魔ー!!」

と、いざこざなどとは無縁ののどかな近所に相応しくない大声で、誰かが私の後ろで叫び出したのだ。

他に人はいなかったので明らかに私に言っているというのはすぐに理解できたけれど、はっきり言って意味がわからない。

道は余裕で自転車二台くらい併走できる広さがあったので、もし私よりもこぐスピードが速いのなら追い抜かせば良いだけのこと。

なぜにわざわざ私の後ろにぴったりくっついて叫び続ける??

それに・・・なんのためのベルよ???
ベルをチリンチリン鳴らされても意味がわからないことに変わりはないけども、少なくとも叫び続けるよりかはマシかと。

一体どんな人なのか気になったので確認をしたかったけれど、私がそこで自転車を止めたりしたらぴったり後ろにつけているその人は止まることができず衝突してしまう。

無視して今まで通りのスピードで、目的地まで行くことにした。

そこから5分と経たずにホームセンターに到着したわけだが、あいにく後ろの自転車も同じところを目指していたようで、これまた駐輪場の中までくっついてこられてしまった。

それならば、と。

遠慮なくどんな奴なのかじっくり見せてもらおうじゃないのと振り返ると、そこには私と同じくらいの年齢と思しき、地味ないで立ちのおばさんがこちらを睨みつけながら立っていた。

黒縁のメガネをかけて手入れをしていなさそうな髪は無造作におろし、デニム生地のロングスカートになんの変哲もないTシャツを着た彼女は、直前の叫び声の主とは到底思えないようなどこにでもいる一見普通のおばさんだった。

しかし驚いたのは自転車にチャイルドシートカバーを載せていて、中には幼稚園くらいの女の子がいたことだ。

何?
子供の前であんな叫び声上げていたの?
煽り運転の英才教育中でしたか??

「いい?自分の前に障害物がいたら大きな声で威嚇してどかすのよ?
見ていなさい、今から見本を見せてあげる」

「うわー、さすがママ。私も頑張ってママみたいな立派な煽り運転できるようになるね!」


で、翌日登園したその子は母の教えを忠実に守べく、園の廊下ですれ違う子すれ違う子に

「ジャマー、あたち今からそこ通るんだからどきなさいよ!」

とか脅すようになっちゃうのよ。
なんならスマホで録画するふりしながらね。

小学校に上がったら絶対『総長』とかあだ名付けられて

「やべー、総長が来たぞ、みんな早く逃げろ!」

みたいな感じでモーセが海を割った時みたいに、彼女の行く先々みんな道を開けて避けるようになっちゃうのよ。

そうして孤立した総長は中学校でさらに荒れ、不良グループに仲間入りしてバイクに乗っては

「(蛇行しながら)邪魔だー!どけどけー!(パラリラパラリラ)」

って本物の煽り運転をするようになる。

警察に捕まった後は、道を踏み間違えた若者によりそってくれる心温かい警察官に出会ってほろっと来ちゃったりしてね。

「本当は寂しいだけなんです・・・子供の頃から母の教えを守ってきただけなのに・・・
気がついたら誰もいなくて・・・
本当はみんなと仲良くしたい、打ち解けたいんです!」


「お前が本当は優しい子だってわかってるよ、今ならやり直せるから。真っ当な道を歩むんだ。」

「おまわりさん、ありがとう。アタイ勉強しておまわりさんみたいな警察官になる!」


・・・なんだか睨みつけてくるおばさん見ていたら、子供の将来が走馬灯のように頭の中を駆け巡ってしまった。
別に私死なないけど。

この怒鳴りつけるおばさんは大した深い意味がなくて怒鳴る/煽っているのかもしれないけど、せめて子供の前ではやめてほしい。

子供って、特に小さいうちは親がやることは全て正しいと心の底から信じて真似をする。

今回のこのおばさんの行動で間違いなくこの子は
自分にとって邪魔なもの→威嚇してどかせるべき
と学習してしまっただろう。

この子が将来大人になって自動車を運転するようになった時にどうなるか、容易に想像はつく。

自損なら勝手にすればっていう話だけど、善良な他人が巻き込まれ命を落とすなんていう事例も多々報道されているので、親だったらそうならないように小さいうちから煽ることを教えてはいけないのに、率先して教えちゃってるんだから目も当てられない。

生まれた時はピュアな精神もこういう親の行動によって徐々に汚されていってしまうんだな、と睨むことに満足したのか子供と颯爽と店内に入っていく彼女らの後ろ姿を見て、ささやかながら ”君たちに幸あれ” と祈りたい気分になってしまったよ。

とりあえず、自転車のベルを使うことから覚えようか。

考察
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