お焼香ってどうやるの?

考察
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初めての親族席で知った衝撃の事実

もうだいぶ昔になるけど、祖母のお葬式での話。

98歳で亡くなる前日まで元気に家でテレビなんか見て笑っていたし、同居していた両親が「こっちの方が先に死んじゃったらどうしよう」と本気で心配していたくらいなので、お葬式といっても悲壮感漂うこともなく参列者が泣き崩れることもなく、むしろ祖母が眠るように息を引き取ることができたことに皆安堵した、穏やかなものだった。

代々長生きの家系に生まれたもので、遺族席っていうのかしら、お葬式の最前列に座る機会がこの時までなかった私。
母が用意してくれた喪服を着て、真ん中の通路側から父・母・兄・私の順で席についたわけだが、これから参列者の視線の先にしばらくじっと座っていなければいけないのかと考えると、自分のお葬式でもないのに緊張したものだ。

まっすぐ前を向いて座っていると布のこすれる音とともに入場する僧侶。
モーセが海をおっ開いたみたいに参列者の間を進む姿は、子供の私の目にはちょっと神々しく見えたりした。

バランス崩して落ちたりしないかと心配になる程小さな椅子に上手いこと座って読経が始まるわけだが、このお経の第一声は何回聞いてもびくっとしてしまう。
なんで僧侶ってみんな魚屋さんを連想させるようなの太い声の人ばっかりなんだろう?
せめて意味がわかる言葉で読んでくれれば少しはインパクトが小さくて済むかもしれないのに、天国のおばあちゃんはこれを聞いて理解できているんだろうか?

なんて疑問に思いながらも進んでいく葬儀。
ここで私は初めて間近で参列者がお焼香する姿を見て、衝撃を受けることとなる。

お焼香のやり方を初めて知った

“徐に席から立ち上がったら前へ進み、遺族の方へ向かって一礼
その後、僧侶に一礼
一歩前に進み、在りし日の故人に感謝の気持ちを込めて一礼”

ポクポクポク・・・厳かに響きわたる僧侶の読経

“焼香台に置かれたお香をつまみとり、ゆっくりと己の鼻の穴に持っていき、深呼吸で匂いを嗅ぐ
あまり勢いよく匂いを嗅ぎすぎてお香が鼻に入ってむせないように気をつけながら・・・
鼻腔内に香を存分に広がらせ、故人との思い出とその香をリンクさせ、満足したら香炉にお香をくべる”


お焼香ってこうやるものじゃなかったの?
遠く離れた後ろの席からしか見たことがなかったので、みんなこうやっているもんだと思っていた。
だってお香なんだもの。
匂い嗅いでなんぼでしょう?

なのになんでみんな、おでこにお香くっつけてるの?
チャクラ?テレパシー?
あの世の故人と念力かなんかで通じ合おうとしているの?

まだ若かった私は横で神妙な面持ちの兄を軽く突いて確認しようとしたんだけど、”シッ”とか言われるから。
とりあえずその場は黙っておいたけど。

日本人って信心深くない人が多くて、宗教とか占いとか興味がないんだと思っていた。
でも次から次へとあの世のおばあちゃんにテレパシー送る人たちを見て、一気に自分がスピリチュアルな儀式の真っ只中にいるような気分になってきた。

単調なリズムで刻み続けられる木魚に合わせて唱えられる僧侶の呪文(お経)
怪しげにくゆるお香の煙(お線香)
葬儀場を見渡すと目をつむり体をゆっくり左右に揺らして陶酔している人もいる(居眠り)

生贄とか用意されていなくて本当によかった・・・

この時かな。
私が死んだ時はこういう儀式は遠慮しておこうと心に誓ったのは。
大人になった今誤解は溶けたものの、やはり一度刻み込まれた猜疑心というか拒否感というか、こういう印象はなかなか変えられないもので。
私の時は、もっと健全なお葬式がいいなと。

キリスト教に改宗して、私の時はキリスト式のお葬式をやってもらおうと思う。
キリスト教式だったら現代語で執り行われるもんね?
その方がわかりやすくてヨロシイ。
牧師さんのお話を聞いた後に、みんなで景気付けに一発賛美歌なんて歌ってもらって。
なんだったら『大地讃頌』とかでもいいかも。
♪母なる大地を、あー!讃えよ大地を、あー!♪の、”あー!”のタイミングであの世に旅立てば、すごいいい記録が出せそう。

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