黒麹芋焼酎 ど黒に救われた日

お酒

黒麹芋焼酎 ど黒が届いた

発酵文化の薫る町、佐賀県鹿島市肥前浜宿にある光武酒造場で作られた『ど黒』。
国産さつま芋を100%使用し、麹は黒麹でじっくりと熟成されているという芋焼酎で、ネーミングもさることながらラベルのドクロマークのインパクトの強さが早く飲みたい気持ちを煽る。

が、辛抱強く日が暮れるのを待ちボクちゃんと封を開ける。
今日はボクちゃんに聞いてもらいたい話があるのだ。

ことの発端

なぜこんな話になったのか思い出せないけど、友達と話していた時に
“駐在員の妻、いわゆる駐妻が嫌い”
ということを彼女が突然言い出した。

なぜ彼女がこういうことを言うのかというと、どうやら彼女がワーキングホリデーで学生の時に海外でアルバイトをしていた時に、 駐在員の妻と接触する機会が少なからずあって、その時に良い印象を持たなかったらしいのだ。

“ただ夫が駐在員だというだけで自分は何一つ努力せず、偉ぶっている”
“ワーホリで働いている人間をお金がなくてかわいそうな人、と下に見る”
“駐在員の妻だからなんでも優先してもらえると思っている”


彼女の言い分はこんな感じだったが、正直聞いていてモヤモヤしてしまった。
だって、彼女は知らないけど私の両親は長年駐在員をしていたから。
もちろんその場では「うんうん」と彼女のおとなしく聞いていたが、内心は私の母のことを悪く言われているような気がして良い気はしなかった。

私の母も、母の友人たちも、たくさんお世話になった私の当時のクラスメートの母親たちもみんな元駐妻

もしかしたら確かに中には彼女がいうような横柄な駐妻もいるのかもしれないが、それはごく一部の人の話だし、そんな人物は駐妻じゃなくたってどこにだっているでしょ。

その場でそう反論できたらもしかしたら私は少しすっきりしたのだろうか。
それとも彼女の話の腰を折ってしまったことに対して、もっと気が滅入っていただろうか・・・

彼の見解

夜になってもモヤモヤが抜けなかった私は、このことをボクちゃんに愚痴ったのだが、彼はど黒を開封しながら黙って聞いてくれていた。

そして徐にグラスにど黒をグラスに注いで香をかぐ。
ぼそっと「うわあ、芋の香りがすごいなあ」と言ったのを聞き逃さなかった私は自分のグラスをボクちゃんの方へ差し出し、自分にも注いでもらう。
透き通る透明の液体からは、確かにスイートポテトを思い出させる豊潤なさつま芋の香りがした。

ボクちゃんは味わうように一口ど黒を口に含みこう言った。
「彼女はきっと今の自分の置かれた環境に満足していないんだね。」

どういうことだろう?と、続くボクちゃんの言葉を待ちながら私もど黒を一口飲んでみる。
その甘い香りとは裏腹に黒麹仕込み芋焼酎の特徴である独特のコク、キレと旨みが感じられ焼酎とは思えないほどの軽やかな後味だった。

“これは気をつけないと飲みすぎちゃうかも”
“あ、だからドクロマークなのか”

なんて酒造所のラベルセンスに関心などしている私をよそに話を続けるボクちゃん。

「多分彼女はワーホリ先で会った駐妻に劣等感を抱いている。
本当は自分もああなりたいのになれない現状に苛立って、本心とは逆の憎しみの言葉を口にするんじゃない?」


私からみた彼女は素敵なご主人もいるし、自分の仕事がどれだけやりがいがあるかなどよく聞いていたので、彼女が現状に不満を持っているなど思いもしなかった。
しかし

自分に自信と誇りを持っている人は、他人を貶めるようなことは言わないよ。
ただのストレス発散で、言った内容に意味はないと思う。
だから華子は全然気にすることない。心の中で “がんばれー” って応援していてあげれば良いんじゃない?」


というボクちゃんの言葉に気持ちがスーッと軽くなった。
そっか、彼女は誰かを責めることで自分に優越感を感じたかったんだ。
その誰かは別に駐妻じゃなくても誰でもよかったんだ。

美味しいお酒と大切な人

割ってしまうにはもったいない気がしてど黒をストレートで飲み続ける私。
濃厚なコクと柔らかい口当たりに、いつまでも飲んでいられそうな気がしてしまう。

美味しそうにつまみとど黒を交互に口運ぶボクちゃんの顔を見ながら
“いつでも話を聞いてもらえる相手がいて私は幸せだな”
と心底思う。
晩酌を始める前までの鬱々とした気分なんて美味しいお酒と大切な人との会話で吹っ飛ぶもの。
この二つがあれば、私はそれだけで満足。

観光酒蔵 肥前屋の案内
これ酒造所の様子を写した動画。
こんなに善良そうな人たちが作った酒なら間違い無いでしょ、と思わせてくれる。

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