高級車に乗るダメ男

考察

前回のいい男編に次いで今回はダメ男偏をお送りします。

出会い

高校の同級生だった彼と付き合い出したのは、お互いが大学に進学した後。
今となってはどこに魅力を感じたのか全く思い出せないが、おそらく大学生になって浮かれていたのだろう、友人に “あの人、あなたに興味があるらしいよ” と言われただけでなんとなく私も好きなような錯覚を覚えてしまった。

最初の頃はベタに遊園地に行ったり映画を見に行ったり、普通のカップルが過ごすように私たちも日々楽しく過ごした。
私が忌嫌う、イベントの開催なんかを手掛けたりする彼が少しかっこよく見えた時期もあった。
その化けの皮はすぐに剥がれるんだけど。

もしかして・・・ヒモ?

働いて収入を得ることが好きだった私は、彼と付き合いながら、授業前後にアルバイトを2箇所掛け持ちするような日々を送り、たまに予定が空いた日に彼と会うようにしていた。
なので、学生の割にはお金は常に持っていた方だと思う。
一方彼はというと、サークル活動やイベント開催に力を注いでいて、全く収入はなかった。
あえていうなら親からもらうお小遣いくらい?

私は元々誰かに奢ってもらうという行為が好きではなかったし、例え誕生日とか記念日であってもデート代がきっちりワリカンというのも全く疑問は持っていなかったのだが、そのワリカンすらだんだん崩れてきた。

ダメ男
ダメ男

「悪いんだけど今持ち合わせなくて。後で払うから出しておいてもらってもいい?(返す気ゼロ)」

ダメ男
ダメ男

「今欲しいものがあるんだけど、忙しくてバイトできないんだよな・・・(買って?)」

とお金の無心をされる回数があからさまに増えてきたのだ。
そして馬鹿だった私はその都度「わかった、いいよ」と出してあげていたのだ・・・

そんなある日、彼は私に電話をしてきた。

ダメ男
ダメ男

「車買ったんだ!バイト終わったら迎えに行くからお店の前で待っていて!」

といつになく興奮した声で。
正直都内に住んで都内の学校に通っていた学生の私たちに、車なんて全く必要なし。
この頃には彼に対してやや冷めた感情が芽生え出していた私にはどうでもいい電話だったが、一応彼のいう通り、早く学校に行きたい気持ちを抑えて彼をお店の前で待つことにした。

ダメ男と決定づけた出来事

もう着いたよ、と言われてもバイト先のお店は大通りに面していて車の往来は激しく、どれが彼なんだかしばらくわからなかった。
すると、近くでプップッと軽く鳴らすクラクション。
私の数メートル先に止まった白いベンツの窓から彼が顔を出して手をふっているのが見えた。
まるっきり似合っていないサングラスなんかかけちゃって。

ダメ男
ダメ男

親がさ、買ったんだよ。いいでしょ(フフン♪)

と、まるで自分の手柄のような得意顔の彼。
君も乗せてもらえるから嬉しいでしょ?とでも言いたげな雰囲気だったが、生憎私は車に全く興味がない。
それに彼には言っていなかったが私の父は大のベンツ好きで、私は物心ついた頃からずっと自家用車はベンツなので珍しくもなんともなかった。
ただただ、そのサングラス顔と親のベンツに浮き足立つ彼が滑稽に見えてしょうがなかった。

そしてその数日後、事件は起きた。
すぐ近くなんだから電車で行けばいいのにという私を押し切って、彼に吉祥寺に連れて行かれた時の話だ。

吉祥寺は道が狭い上に人も多い。
ちょっと裏道に入ると車一台が通るのがやっとなんていう道ばかりだ。
そして彼はご自慢のベンツを見せびらかすために、そういう道を無駄にグルグル運転してそこら辺を回っていた。
すると私たちの前に自転車にまたがる金髪のいかにもガラの悪そうな若者が現れ、多分私たちが邪魔だったんでしょう、思いっきりドアを蹴り出した。

いや、彼の気持ちもちょっとわかる。
狭い道を大きい車を我が物顔にウロウロしていたらうっとおしいもんね。

面倒なことに巻き込まれたな、と思いながら横を見ると顔面蒼白で慌てふためく彼。

ダメ男
ダメ男

大丈夫だから!落ち着いて!警察に電話して!

とか言ってたけど、落ち着く必要があるのはあなたでしょう・・・

すぐに彼は自転車のチャラ男が追いついてこれないほどのところまで移動して、車を降りて大事なお車様の傷具合をチェックしたが、残念なことに運転席側のドアがべこっと派手に凹んでいた。
そして彼もお車様と同じくらい凹んだのは言うまでもない。

その足で修理工場に車を持ち込んだのだが、修理代はしめて5万円。
そう伝えられた彼は
「その金額で構わないのですぐに修理してください!」
とリペアマンにお願いし、くるっと私に振り返りこう言った。

クズ男
クズ男

親にバレるとまずいからさ、お前が修理代出して(テヘペロ)

結論

別れるよねー、さすがに。
ソッコーでお別れしましたよ、このクズ男とは。
どんなに高級車に乗っていても、中に乗っている人間がこれじゃ車も可哀想。
高級車っていうのは、自分で努力を積み重ねてその対価として手に入れて、初めて自慢していいもの。

あなたの周りにも人の手柄を自分のことのように振舞うダメ男はいませんか?
もしいたら、今!すぐに!!逃げましょう。

深夜、ダメンズに悩まされる3人の乙女達によって繰り広げられる、世にも恐ろしい体験談…それが「深夜のダメ恋図鑑」。
深夜、ダメンズに悩まされる3人の乙女達によって繰り広げられる、世にも恐ろしい体験談…それが「深夜のダメ恋図鑑」。

ストーリー仕立てで展開する記事の中には、男と女の本音とその解説が詰まっていて、「下手なテレビドラマより面白い」「早く続きを読みたい」といったコメントが殺到しています。
記事の内容はドロドロした男女のストーリーになりますが、変な暗さはありません。時々関西弁で辛口だけど面白おかしく読める一冊です。

考察
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