歳の差カップルの日帰り温泉旅行

行動

 

私とボクちゃんの関係は複雑だ。

自分たち自身よく理解しておらず

「うちらの関係ってなんなんだろうね???」

と、いい歳して言い合う始末。

恋人かと聞かれれば “違う” とお互い即答するだろう。

でも友達かというとそれも違う。

“深い関係” は綿密にいうとないけれど、お互い何か一大事があれば真っ先に駆けつけるだろう。

 

それに、もしボクちゃんが結婚するとなった時は、私は心からおめでとうと喜んであげられる自信がある。

 

・・・一体名称をつけるとしたらこの関係は何になるんだろう?

 

先日お互いの予定が合ったので、ふと思いついたボクちゃんに連れられて、温泉に出かけてきた。

車で2時間とかからないところだ。

 

私はなかなかフットステップの重い女で、何時に起床して何時に家を出てどこそこで昼食をとった後どこそこを見学して・・・と言った風に旅行に出かける時は慎重に計画を立てるタイプなので、その日の朝になって

「ねえ、温泉にいこうよ!」

とか思いつかないタイプである。

正直、突然行こうと言い出したボクちゃんの提案に初めは

「急すぎるでょ、面倒くさいな・・・」

と内心思っていた。

 

ところが私とは正反対の性格のボクちゃん、思い立ったが吉日、あっという間に身支度を整えて出かける準備万端になって、子犬のようにキラキラした  “準備は出来たか?” とでも言いたげな目をして私を玄関で待つのだ。

 

そんな目で見つめられて断れるメンタルの強い人がいるのなら私は会ってみたい。

 

「ハイハイ、ちょっと待ってね」

なんて言いながらボクちゃんと私、二人分のタオルや着替えをバッグに詰めて温泉の準備をする私。

きっと着替えを私が準備しなかったとしても彼は気にせず、着てきた下着や服をまたお風呂の後に身に着てしまうんだろうけど、私には気持ちが悪くてそんなことはできない。

出かけるならそれなりの準備をしてからでないと。しかも二人分。

 

手が焼けるな、なんて思いながらもちょっとそういうところも可愛いと思ってしまう私はきっとバカな女なんだろう。

 

道中無邪気に運転しながらお気に入りの音楽に合わせて熱唱する彼は、出かける前の面倒な気持ちが吹っ飛んでしまうほどたまらなく愛おしく見えた。

無意識のうちに彼が選択するのが最近の流行のものではなくて、私が学生の頃流行った「君がいるだけで」とか「SAY YES」とか私にとって馴染みのある曲ばかりというのも愛おしさに拍車をかけた。

おそらくはたから見たら助手席に座る私は、年下彼氏に夢中な中年おばさんのように目がハートになっていたのかもしれない。
このオバサン殺しめ!

でももう一度いうが、私はボクちゃんを縛り付ける気持ちは一切ないし、ボクちゃんにはちゃんとした彼女をいつか見つけてもらって幸せな家庭を築いてもらいたいと切に願っている。

温泉施設に到着した後、男女それぞれの浴場に別れた私たち。
都会の喧騒から離れた自然の中で浸かるお湯は本当に気持ちがいい。
一時間ほどゆっくりリラックスをして上がったが、私を待ち疲れた彼は私が用意したタオルを顔の上にかけて待合所で爆睡していた。

そんな無邪気な彼を見ていると起こす気にはなれず、しばらくその寝姿に見入ってしまっていたのだが、気配を察知したのか程なくして目覚めた彼は、顔を覗き込む私の手をムニャムニャいいながらおもむろに握って

「あ、出てたんだね。じゃあ、帰ろうか。」

と言った。

 

“帰ろうか”

なんて心地よい響きの言葉なんだろう。

でも私には多分一生、本当の意味では縁のない言葉。

私じゃなくて、本当にその言葉の意味が叶う相手が見つかるといいね・・・

 

そう思いながらも、彼が握ってきた手の温もりは彼が誰かと結ばれた後も私はずっと忘れないだろう。

行動
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